オレンジの街
ずいぶんと日がのびた
秘密を見透かされそうで
君の横顔から目をそらして
ぼんやり川の向こうを見た
灯りはじめたオレンジの街と
重なる夕日が同じ色で
それを奇跡と言えたから
君にこの想い
今こそ伝えるとしよう
たとえ話にもならないような
単純すぎるきっかけでごめんね
気が利いているとは言えないけど
君がいた だから ふと浮かんだ
君との未来の景色
かなり遠くまで来た
風もそろそろ冷たい時間
君のふるえる肩を見たら
すんなり抱きしめられた
少し離れたオレンジの街は
夜空が地面に広がったみたい
黙ったまま見とれている
君にこの想い
今こそ伝えるとしよう
思い出話を語るときには
この場面を思い浮かべてほしい
キザなセリフは言えないけど
君がいた だから ふと浮かんだ
淡いオレンジの未来
たとえ話にもならないような
単純すぎるきっかけでごめんね
気が利いているとは言えないけど
君がいた だから ふと浮かんだ
「きみがすきだよ」
暗闇を切り拓いて
オレンジが昇ってきたら
君と少しまどろんで
ゆったり今日も歩き出す